化物語
シャフトという制作会社は面白い。本来アニメは全般的に、その作品ごとにカラーは違うものだし、作画やキャラクターデザインによって雰囲気は左右され、ごく一部のアニメ好きくらいしか、制作会社やスタジオが何処かなんて気にする人はいない。しかし、シャフトのアニメは、シャフトが作ったんだな、と一見して解るような作風を持っている。勿論、他の制作会社にも、ロボット物が上手いとか、アクションシーンが良い、とかいう色はあるが、そんな程度ではなく、漫画家でいう所の画風に近い意味を持つ。
シャフトの作風は、実写映像を組み込んだり、現実的な場所を示す為の背景を敢えてアート的な表現にしたり、文字表現を多用して、しかも読んでくれなくても構わないという程の速度でそれを流す。場面の雰囲気に合わせて、主線の色を赤にしたりもする。好き嫌いはあろうが、その作風がかっちりはまると、他に比べようのない、芸術的なアニメに仕上がるのである。
この作品は、日常の中にいきなりワンダーな世界が潜んでいて、突如扉を開けるとその世界が広がる、という構図があり、まるでコマが切り替わるかのように話が転がり、繋がってゆく。あり得ない世界が広がっているのだが、そのあり得なさを楽しんでこそのアニメである。そこを上手く突き、通常の表現では持たないような長台詞をキャラクターに云わせたり、日常に潜む怪異を時に異様に、時に美しく、時に可愛く描いているのだ。ぽんぽんと紙芝居のように進んでゆくストーリーの中に、面白さとときめきが散らばっていて、目が離せない。代用の利かない作品である事だけは確かである。話のブロックごとにオープニングテーマすら変えてしまう所も面白い。実に小気味よい作品として仕上がっている。